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富士書道学園
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個展紹介

第1回個展(昭和62年)

赤熊玉蓉書展
 
筆に言霊をたくして
赤熊玉蓉書展が11月26日~12月2日まで大宮そごうデパート8階で開催された。
筆に言霊をたくして…をテーマに開かれた赤熊玉蓉書展、なんとなくそのテーマに魅かれる会場の入り口をくぐったのだが、目に入る一作一作は誠に多彩、加えて絵心があるだけに何点かの書画一体作や硬筆もあったりで見る者を楽しませてくれる会場であった。

言霊=言葉に宿っている不思議な霊感言葉の持つ不思議な力が作品にどのように反映されているかが興味あるところ。一管の筆にたくして記された書線が交錯し 織りなす造型の妙をみせる一作一作は玉蓉女史自身の心情の吐露であり、躍動する生命感の漲るところと云っても良い。そして漢字にしても詩文書にしても多様 多岐に書き分けており多才ぶりをみせている。一本の線にも邪念のない純乎さがあり伸びがあり生気があるのは玉蓉女史自身の純真さが滲出しているからなのだ ろうか。一つの型にはまった、と云うより、如何にして<玉蓉の書>を作り出すかに汲々としている心奥が窺い知れるような感もしたのだったが…。

言葉の持つ不思議な力、それだけに文字や詩文の選択にも十分に意をつくしている。一本の線、一つの文字、詩文から醸し出される雰囲気そしてロマンは果てし ない広がりがある。そこに赤熊玉蓉の世界をみた思いがしたのだった。赤熊玉蓉と云えば脳裏に刻みこまれているのは何年か前に上尾で開催された社中展に出品 された張即之金剛般若経の臨書で六曲か八曲の屏風である。一本の線をも蔑にする事もなく真摯に取りくんだあの作品に普段見る事のない赤熊玉蓉をみたのだった。

第2回個展(平成8年)

筆に言霊をたくして

近年、さまざまなメディアで双方向という言葉が取り沙汰されている。一方的に情報を流すのではなく、対話のように互いに情報をやり取りして、コミュ ニケーションをより密にしようというもの。こんなことが浮かんだのも赤熊玉蓉氏の個展に接したからだ。ともすれば見せる・見せられる、といった関係に陥り がちな書の個展にあって、赤熊氏の個展にはどこか対話型のコミュニケーションが感じられた。


それは「言葉に言霊をたくして」というテーマに起因するところが大きいのではないだろうか。ただ単に美しい・きれい、というだけでなく書き手の思いの込め られた書であるということ。それが観る者の心に届き、深い内省の末に自問したくなるような作品の群。例えば「いのち」。さり気なく使われる言葉であるが、 赤熊氏の筆に託され、書という形に結晶するとき、その言葉はわれわれの自省の端緒ともなってくる。

(月刊書道界より)

第3回個展

筆に言霊をたくして-PARTIII-

上尾書道人連盟会長、埼玉県中央書連副会長、埼書連理事そして毎日書道展審査会員と活躍する一方で富士書道学園等で後進の指導にも余念のない赤熊玉 蓉女史による筆に言霊を託して(PartIII)の第3回目の個展が埼玉県伊那町ギャラリーしらとりで11月1日~15日まで開催された。

 

かつて桑沢デザインスクール(現在の造形美術大)に学んだこともあり色彩感覚豊かに書画一体の作を発表しているがこれらの親しみやすい楽しみやすい一作一作は家庭の日本間、応接間、勉強部屋に飾っても良い作品群で、作者と観客の距りを縮めてくれるのに十分であり、これからの書展のあり方を 示唆しているといっても良いだろう。それは漢字、かな交りの近代詩文書が多いだけにその下絵の美しさと合わせて親近感のもてる雰囲気を醸しだしている。

出品作

“ほゝ笑みをあなたに”
色調の美しさと共に、線條の強さ確かさ、筆勢の強さそして生気を描いている。

“生愛死” “自分で考える力を”
下絵を生かして大小程良く筆力をこめて書きあげている。

“余裕の心”
ゆったりした触れ合いの感が出ている。書線が冴えている。

“種となる心の水に…”
下絵とマッチしている。情感の滲み出ている詩文書。

“慎しみのこころ”
律動感のある動きが心地良い。生き生きとしている線の冴えが美しい。

“無憂楽性場…”
巧みな用筆で筆勢筆力があり大小振幅が程良く、圧の強弱も巧みにこなしている。

“柏葉寿”
質朴とした趣をみせており醇乎さがある。

“青梅も十三七つ月夜哉ほか”
一茶句三首を布置に変化をみせて生気のある勢いの良い書線で書いており充実感がある。
ほかに

“交差点 忘れたい…”、
“幸福は…”、
“一つの言葉でけんかして…”

等印象に残る作。赤熊玉蓉をみたのだった。
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